酷いと話題の“厚労省年金マンガ”を若者世代の私が読んでみた感想

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今、にわかに話題となっている『厚労省年金マンガ』ですが、インターネット界隈では

「これは酷い」

「若者をなめている」

と、散々な批判を浴びています。

そこでいったい何が、どれほどひどいのか?(あるいはひどくないのか?)

かねてより年金制度への疑問や不安があったいわゆる若者世代の一人である私が、実際にマンガを読んでみて何が問題なのか考えてみました。

マンガの概要

厚生労働省が2014年の5月14日に公開した件の漫画、正式名称は

『いっしょに検証!公的年金 ~財政検証結果から読み解く年金の将来~』

というタイトルです。

0話から11話まで全12回に渡って、ある家庭の年金制度やそれに関する疑問点など進行役の“年金子(とし かねこ)”というキャラクターが答えていくスタイルです。

公開からしばらくはほとんど反応がなかったところ、最近になってあるツイッターユーザーが発見、つぶやきにしたところで一気に話題となったようです。

正直なところ私はそのツイートが話題になって更にWEBニュースとなるまでは全く存在を知りもしませんでした。

…まずは内容はともあれ、せっかく作ったのですから広く配布するなり、WEBで公開もしているのですから、もう少し宣伝に力を入れたほうがいいんじゃないでしょうか。


このマンガのすごいところ“その1”

まずこのマンガの一番すごいところ、それは

『年金が給付されなくなることはありません!』

と0話の開始3ページ目で言い切ってしまっていることです。

これだけ年金の財源不足などが取沙汰され、現実に保険料の頻繁な見直し、増額なども行っているのにもかかわらずいきなり言い切ってしまうあたりすごい自信です。

まあ、たしかに月々100円でも給付されれば、

『給付されている』

ということにはなりますから、それが老後の日々の生活を賄えるかは別として嘘にはならないでしょう。

このマンガのすごいところ“その2”

『――そのおかげで今の若い世代が豊かに暮らしていることを考えると 受け取る年金に差があったとしてもそれだけで若者が損とは言えないと思いませんか?』

これは最後の11話の中での、年金子ちゃんの台詞です。

若者世代は保険料を多く払っているのに給付される額は年々減っていて不公平だ!という意見に対して、

お年寄り世代が頑張って今の社会を作り上げてきたんだから!という回答なわけですが…

うん、年金関係ないですね。

たしかにご先祖様や偉大な大先輩方の努力によって日本は発展してきました。

隣国の相次ぐ戦争による特需など多分に幸運な要素もありましたが、それら時代の流れに上手く乗り、日本は経済大国になりました。

紛れもない事実ですし本当に有難いことだと思います。

でも、それとこれとは話が別でしょう。

論点のすり替えがひどいとネット上でも話題でしたが、たしかにこれはあんまりだと思います。

マンガ内では若者世代が年金で損をすることは認めた上で、

『そこそこいい暮らししてるんだから我慢しろ』

と言っているわけです。

でも、その豊かな暮らしって今現在のお年寄り世代も享受しているんじゃないでしょうか?

さらにマンガ内の登場人物で大学1年生の子がいるんですが、その子はこれを聞いて

『確かにあたしたち好きに大学行かせてもらってるしなあ』

と納得してしまっています。

いやいや、それで納得できるんですか。

なんと物わかりのいい子でしょう。

確かに高校卒業後は誰でも大学進学するための受験資格は与えられていますが、実際には今でも家庭の事情や金銭的な問題で大学に行けない人はたくさんいます。

漫画の家庭のように誰もが順風満帆ではありません。

また、せっかく大学を卒業しても正社員になれず、アルバイトや派遣で食いつなぐ若者がたくさんいます。

『若者の○○離れ』

という言葉はたいてい

『お金の若者離れ』

という言葉で片付けられるほど、若者は今も経済的に苦労しています。

むしろ年々ひどくなっています。

これでも、増えていく年金やその他税金の負担を、

『我慢しろ』

と言えるのでしょうか。

インフレのリスクなども鑑み賦課方式を取っているとのことですが、どうにも制度失敗の尻拭いをさせられている感が否めません。

思わず某掲示板のあのAA(アスキーアート)が目に浮かびました。

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他にも突っ込みたいアレコレ

ここまで読んでいただけただけでも突っ込みどころが満載かと思います。

まだまだおかしなところがたくさんあるのですが、一つ一つに言及しているとキリがありませんので、実際に一度全編を通して読んでいただくことをおすすめします。

ここでは上で取り上げたページも含め、中でも「コレは…」というところを数ページ紹介しておきます。

特に後半部分の、力技で強引に不公平な部分を納得させる部分が非常に気になります。

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まとめ

率直にこのマンガを読んだ感想は

「誰のために、何の意味があって作られたのか全くわからない」

ということでした。

ふきだしに長々とセリフを詰め込むわりには、制度そのものの知識はそれほど身につかない

現在抱える不安は杞憂なのかというと、やはり事実であり、その解決策は提示されていない

また、全編通してずっと感じられたことが、

「負担が増えて大変だけどあとは頑張ってね」

という製作・監督者の他人事のような意思が透けて見えるようだということです。

これから割りを食うであろう若者世代の一人としては率直に不快な気持ちになりました。

他にも色々と感想はあるのですが、オブラートというか段ボール紙くらい分厚い紙に包んで話すとなるとこの辺りが限界です。

(オブラートに包まないと、とてもここには書き表すことができないクソミソ辛辣な言葉を書いてしまいそうなので)

私達だってもちろんお年寄りを支えていきたい気持ちはありますが、その支える力、余裕が圧倒的に不足しているのは事実です。

その理由、原因ともなっているのは社会の制度など環境的な要因が大きいのは否定できません。

そして私達が今頑張っている社会の制度やフィールドを作ったのは私達よりずっと上の大人達です。

私達も頑張っていかなければなりませんが、まだまだ私たちの世代は社会の仕組みを変えられるほどの力は残念ながらありません。

世代間で責任の押し付け合いなどしている場合ではなく、相互に協力して格差解消に向けて一丸となっていけたら、もっと住みよい社会になるのではないかなあと思っています。

なっていくかなあ。

                           


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