政府が「配偶者控除」撤廃し「夫婦控除」導入へ!増税?減税?金持ち優遇と批判も

社会・生活

 

12月14日に投開票が行われた衆議院総選挙。

結局は大方の予想通り、与党側が大勝。

自公合わせて325と、3分の2超の議席を確保し、
これにより参議院で法案が否決されても衆議院で再議決が可能になりました。

投票率の問題等々はありますが、
決まった以上は国民のために頑張ってくれればよいのですが。

そんな発足したての新政府ですが、早速新たな政策を打ち出してきたようです。

 

”政府は、専業主婦やパートの妻がいる世帯の所得税と個人住民税を軽くする「配偶者控除」を見直し、新たに妻の収入にかかわらず一定額を夫の所得から差し引く「夫婦控除」を導入する検討に入った。

 新制度は女性の社会進出を支援するのが狙いで、配偶者控除の対象となる「年収103万円以下」の規定は撤廃されることになる。

 2015年度税制改正大綱に配偶者控除の廃止方針を盛り込み、16年度以降に新制度を導入する考えだ。

 配偶者控除は、妻の年間所得が38万円以下(給与なら年収103万円以下)だと、夫の課税対象となる所得から38万円(住民税は33万円)が差し引かれ、所得税と住民税の納税額が減る仕組みだ。約1400万人に適用されている。安倍首相が3月に見直しを指示していた。”

(引用:headlines.yahoo.co.jp)

とのことです。

 

「配偶者控除」を撤廃し「夫婦控除」を導入へ

 

つまりはどういうことかというと、
これまでの「配偶者控除」にはいわゆる

「103万円の壁」というものがありました。

年収を控除内の103万円以下に抑えるために、
女性が労働時間などを意図的に制限していた、という問題があるわけですね。

それが女性の社会進出を阻み、男女間の賃金格差をも生み出す
原因となっていた…と。

それを撤廃し一律に控除するから、もっとバリバリ働いてくださいよー
そしたら世帯収入も増えるから安心して子供作ってくださいよー

というのが今回の制度なわけです。

 

共働き夫婦が最強?金持ち優遇だとの批判も

 

これまでの制度は所得に応じて段階的に税を控除されてきました。

夫婦ともに正社員などで一定の年収がある場合は控除の対象外でした。

それが今回の制度で年収に関係なく控除されるとすれば、
今まで控除のなかった共働き夫婦は得をしますが、控除額次第では
103万の壁があったほうが良かった……という家庭が出てくる可能性もあります。

また、現状でも、夫(もしくは妻)一人で年収が1000万の家庭と
共働きで夫と妻が500万ずつ稼ぐ家庭では、
世帯収入で考えれば同額なのに、個々の税負担の合計が
一人で倍額稼ぐよりも安くなるため共働きのほうが得をしている、

といった現状もあります。

さらに、一人で高収入の場合は世帯主が病気や会社の業績不振で
勤められなくなると一気に収入が激減してしまいますが、
共働きの場合最低限の収入は確保できるというリスクヘッジのメリットもあります。

こういった税制上や実際上の点から現状でも共働き世帯はある程度生活が
安定しているにもかかわらず控除が必要なのか?

という批判も上がっているようです。

 

そもそも女性の社会進出問題は税金のせいだけじゃない

 

繰り返しになりますが、今回の制度は制限を撤廃するので
女性も頑張って働いてくださいね!

そして家庭の所得が増えたら子供も産みやすくなって
少子化対策にもなるよね!万歳!
というものです。

しかし控除の所得制限がなくなったからといって
すぐに女性が社会で活躍できる状況にあるのか、
というともちろんそうではありませんね。

そもそも、世間は相変わらずの不景気です。

政府も様々な施策を行ってはいますが、
一部の大企業など以外は十分な恩恵を受けておらず
大多数の人は相変わらず苦しい生活が続いています。

大学の新卒者ですら厳しい就活戦線で苦労しているというのに、
一度家庭に入った女性があらたに条件の良い職場に就職できるか
というとそう簡単なことではないことは想像に難くないでしょう。

また、育児の問題もあります。

昨今話題になっている幼稚園や保育園など託児施設の不足の問題は
いまだに根本的な解決に至ってるとは言えません。

それなのに税制度が変わっただけで、
女性がフルタイムで1日働くことができるようになるのでしょうか?

女性の社会進出にはまだまだ超えなければならない壁がたくさんあります。

ネット上でも同様の意見が様々上がっているようです。

 

 

税金を使って少子化対策したいのであれば、
かつて存在した「年少扶養制度」のようなものを再び導入すれば
確実に子どものいる家庭への援助になるわけです。

女性の社会進出を促すために税制度を変えるというなら、
「103万円の壁」を「500万円の壁」くらいまで引き上げてしまえば
早い話です。

一見よくできた減税制度のように思われますが、
現代社会の実情を反映していないようにも見えますし
実際のところどうなの?
と疑問符がついてしまう人が多いのもわかります。

これからの日本を支えていく世代の多くの人に関係のあるお話ですから、
今後も注目していく必要がありそうですね。

 

 

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