2015年4月4日に“皆既月食”が起こります。
当日晴れていれば、19時頃から南東の空から南の空の深夜の時間に掛けて、全国的に月食を見ることができます。
前回は、2014年10月に起こりましたが、昨年の皆既月食を見られた方も、見逃してしまった方にも、改めて月食の基礎知識とともに、見どころをお伝えしていきたいと思います。
(出典: ja.wikipedia.org)
『月食とは?』
新聞やTVで紹介されることもありますが、意外とちゃんと理解していない人もおおいはず。
ということで、まずは“月食”について軽くおさらいをしておきましょう。
「月食」とは、太陽・地球・月が一直線に並び、太陽と月の間に地球が入り込んだときに起こる現象です。
(出典:web.canon.jp)
よく似た現象に「日食」がありますが、日食は太陽・月・地球の順に並び、月が太陽を隠してしまい真っ黒で見えなくなる現象です。
どちらも同じような現象に思えますが、月食は日食とは違い、赤く光る“月そのもの”をはっきりと観測することができます。
「なぜ日食は太陽は隠れてしまうのに、月食は月を見られるの?」
というと、それは地球の“大気”が原因です。
地球の周りは大気に覆われていて、太陽からの光を屈折させます。
そのときに、青い光は散乱といって、四方に飛んでしまうのですが、赤い光は屈折しながらも大気の影響を受けにくい性質を持っているので、光の一部が月まで届くんです。
だから、月が地球の影に入ってしまっても赤く月が照らされるんですね。
(出典:web.canon.jp)
『月食の種類』
地球の影には「本影(太陽光が殆ど遮られた濃い影)」と「半影(本影を取り囲む薄い影)」の2種類があります。
そしてこの影の影響によって、月食にも種類が存在します。
『半影食』
月の一部または全部が半影に入った状態です。
影が薄いので、見た目ではほとんど分かりません。
『本影食』
月の一部または全部が本影に入った状態です。
本影は、影が濃いので月が欠けているのがはっきりと見えます。
一般的にこちらの状態が「月食」と言います。
本影食の中でも月の一部が入るのが「部分食」、月の全てが入るのが「皆既食」です。
(出典:www.nao.ac.jp)
(出典:www.nao.ac.jp)
『2015皆既月食の時間帯』
予想される皆既月食の動きは、下記の通りです。
部分食の始め | 4日 19:15 |
皆既食の始め | 4日 20:54 |
食の最大(食分) | 4日 21:00 |
皆既食 | 4日 21:06 |
部分食の終わり | 4日 22:45 |
今回の皆既月食は、月が本影のギリギリを通ることになります。
そのため、皆既食になっている時間が、約12分間と短くなります。
ちなみ、2014年10月の時は、約1時間と長かったので、今回は随分と短い時間になりますね。
上手く時間を作ってみるようにしましょう。
『次回は3年後』
「珍しいとは言うけど、毎年のようにあるんでしょ?」
という方は大間違いです。
たしかに、昨年の10月に続き半年ほどでの皆既月食ですから、あまり珍しくないと勘違いしてしまうかもしれませんが…
次回は約3年後まで日本では見られません!
部分食であれば、もう少し早く見られますが、それでも次の月食は2017年の8月8日で、欠け方も最大約25%と少々物足りないかも。
皆既食となると、次回は2018年の1月31日と相当期間が開いてしまいます。
太陽、月、地球と3つの異なる天体のタイミングがうまく重ならなければいけないので、毎年必ず起こるようなものではないんですね。
見逃してもまたすぐ見られるだろう、と思っている人は要注意ですよ!
今回の「「皆既月食」の起こる、2015年4月4日は“土曜日”です。
休日の方も多いはずなので、忙しいあなたも少しだけ手を止めて「春の天体ショー」を見てみませんか。
「皆既月食」の観察の方法は「日食」と違って簡単です。
月の位置さえ分かれば、サングラスなどもいらず肉眼でも見ることができます。
また、望遠鏡や双眼鏡も用意すれば、月の表面や変化が良く見えるはず。
実は満月では明る過ぎてかえって見え難くなるので、月の表面をじっくり観察するには月食のときが最適なんです。
この機会を逃さずに、貴重な天体ショーを楽しんでみてくださいね。
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