体にぽつぽつと無数の斑点、そしてかゆみと発熱…
そう、幼い頃多くの人が罹ったであろう病気
“水疱瘡(みずぼうそう)”
ですね。
発症のピークは1~5歳頃で、ほとんどの場合10歳までに患うため子供特有の病気としての認識が強い病気ですが、稀に大人も感染します。
成人してから発症すると小児に比べ重症化するため特に注意が必要です。
そういえば似た病気に”帯状疱疹”がありますよね。
読んで字のごとく帯状に疱疹(水ぶくれのようなもの)が発症する病気です。
字面や症状の現れ方だけみると水疱瘡にそっくりだと思いませんか?
これらは同じ病気なんでしょうか。
また最近では新入幕ながら大関、横綱にも勝利し大人気の力士『逸ノ城』も帯状疱疹を理由に秋巡業を休場したことで話題になりましたね。
異例の快進撃を続ける“怪物”をも倒してしまった帯状疱疹とは何なのか?
知っているようで知らない水疱瘡、そして帯状疱疹。
正しい知識を身につけしっかりと対策をしておきましょう!
水疱瘡とは
まずは水疱瘡についておさらいしておきましょう。
水疱瘡とは通称で、正式には「水痘(すいとう)」という病名があります。
水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされるウイルス感染症の一種です。
一般的には2週間程の潜伏期間を経て発症し、一週間程で治癒します。
基本的には一度感染すると体内に抗体が出来るため感染することはないとされています。
成人が感染すると発疹がより重度に現れるだけでなく、肺炎などの合併症を引き起こしたり、妊婦が妊娠初期に感染した場合、胎児にも多大な影響を及ぼす可能性があるので要注意です。
帯状疱疹とは
続いて帯状疱疹について見ていきましょう。
帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症の一種です。
発症すると発疹・水痘が帯状に現れ強い痛みを伴うことが多いです。
人によっては眠れないほどの痛みを感じるほど。
皮膚だけでなく神経を攻撃する病気なので痛みが激しいことは想像できますが、それだけでなく出来る部位によって様々な症状を引き起こします。
一例としては、
・目の中にできると角膜炎などを併発し失明の可能性
・耳の中にできると耳鳴り、眩暈などの後遺症の可能性
・顔にできると顔面神経を発症
更に脳の一番大きな神経である“三叉神経”にできてしまうと、脳炎を発症し社会復帰が困難になることも……
非常に怖い病気です。
水疱瘡と帯状疱疹の関係
ここまで水疱瘡と帯状疱疹それぞれについて見てきましたが、何かお気づきの点はないでしょうか?
そう、どちらも原因が同じウイルスによるものだということですね。
水疱瘡も帯状疱疹も上に書いたように、“水痘・帯状疱疹ウイルス”により引き起こされます。
両方の病名がついたウイルスですから当然と言えば当然でしょうか。
そしてもちろんこの2つの病気は密接な関係があります。
その関係とは何か、詳しく見ていきましょう。
水疱瘡→帯状疱疹へ
水痘・帯状疱疹ウイルスに感染するとまず水疱瘡として発病します。
症状が治まると身体にはウイルスに抗体ができているため、
感染者などと接触しても基本的に再び発病することはありません。
ですが、ここで問題なのが
“ウイルスは死んでいない”
ということなんです。
一度ウイルスに感染すると、水疱瘡の諸症状が治まっても、実はウイルスは消えずに身体の中の神経節に潜んでいます。
完璧に退治することは不可能なんですね。
そして普段は抗体などに抑え込まれているため症状は現れませんが、身体の抵抗力、免疫力が低下したときには再び活発に活動をし始めます。
これが「帯状疱疹」となるのです。
そして一度目の「水疱瘡」よりも二度目の「帯状疱疹」のときはより症状が重くなることが多いわけです。
昔抑え込まれた恨みを晴らそうとでもする、“ウイルスの逆襲”のようですね。
予防と対策
さて、実は怖い病気の水疱瘡と帯状疱疹ですが、それではこれらの病気になってしまったときはどのようにするべきなのでしょうか。
それはとにかく早期に病院を受診し治療することです。
水痘・帯状疱疹ウイルスには抗ウイルス薬の投薬が効果的であると判明しています。
しかし、症状が重症化してからでは効き目が期待できないこともあるので、
感染、発病の疑いがある場合には早期に医療機関を受診することが第一です。
またワクチンの摂取も効果的で、子供の予防だけではなく、成人の帯状疱疹患者にも投与すると症状が軽減したという例もあります。
いずれにしても病院で適切な治療をしてもらうことが大切ですね。
以上、水疱瘡と帯状疱疹それぞれの症状や関係を簡単にまとめてみました。
あなたは正しく理解をしていましたか?
子供の頃に水疱瘡を起こしたウイルスが大人になって帯状疱疹を引き起こし、ときにはより辛い症状や後遺症をもたらすことも…
身近な病気のためつい甘く考えてしまいがちですが、実は恐ろしいウイルス・病気なんです。
一度水疱瘡になってしまうと誰でも帯状疱疹を発症する可能性があるわけですが、その原因は免疫力が低下することで潜んでいたウイルスが暴れだすことです。
免疫力の低下にはストレスや過労、不規則な生活などが大き関わってきます。
発症してしまった場合の早期受診はもちろんですが、規則正しい生活やストレス発散など普段から適切な対応を心掛け、予防をしていきましょうね。
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